百貨店の株主優待制度はどこを選ぶべき?そんな問いにお答えしていきたいと思います。
株主優待の割引は非常に魅力的ですし、うまく活用することで家庭の助けになります。
しかし、注意点するべきデメリットや、支払い方法などによる相性が百貨店により異なりますのでわかりやすく比較していきます。
百貨店の株主優待はどこがおすすめ?4社の株主優待内容を比較
”調査する百貨店は4社”
① 株式会社三越伊勢丹ホールディングス
② J.フロントリテイリング株式会社
③ 株式会社高島屋
④ エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社
百貨店の時価総額(2024年)
会社 | 百貨店 | 時価総額 |
株式会社三越伊勢丹ホールディングス | 三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | 約8,900億円 (資本金514億円) |
J.フロントリテイリング株式会社 | 大丸・松坂屋 | 約5,130億円 (資本金319.74億円) |
株式会社高島屋 | 高島屋 | 約4,100億円 (資本金660.25億円) |
エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社 | 阪急・阪神 | 約2,750億円 (資本金177.96億円) |
※時価総額、資本金は記事制作時のものです。時価総額は変動します。増資や減資が行われた際は、資本金も変動します。
株主優待の割引率は?
百貨店 | 株主優待の割引率 |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | 10%割引 |
大丸・松坂屋 | 10%割引 |
高島屋 | 10%割引 |
阪急・阪神 | 10%割引 (食料品、レストラン・喫茶は5%割引) |
100株の限度額(1年あたり)
百貨店 | 100株優待の上限・限度額(年間) |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | 30万円 |
大丸・松坂屋 | 50万円 |
高島屋 | 30万円まで(半年ごとに15万円) |
阪急・阪神 | 10枚券(半年ごとに5枚)/金額の上限なし (株主優待券のため1回につき1枚の利用) |
※株主優待カードは ”限度額” まで何回でも利用できます。阪急阪神百貨店のみ ”株主優待券” になります。株主優待券は、1会計につき1枚の利用になります。
※高島屋は分割後(2025年2月末日)を基準として、株主優待の限度額を表記しています。
株主優待のデメリットは割引除外ブランドや対象外品
百貨店の株主優待を利用するうえで、デメリットといえば ”割引対象外” のブランドや品物があるということです。
ハイブランドでは百貨店が足並みを揃えているため(ブランド側が規制しているため)、どこの百貨店も割引対象外ブランドが共通しています。
”割引除外が共通されているハイブランド”
・ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)
・ティファニー(Tiffany & Co.)
・ブルガリ(BVLGARI)
・カルティエ(Cartier)
・エルメス(Hermes)
・シャネル(CHANEL)
・ヴァンクリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)
・ベルルッティ(Berluti)
・ロレックス(ROLEX)
・パテックフィリップ(PATEK PHILIPPE)
など、人気で知名度のあるハイブランドが百貨店各社共通で ”割引対象外” になります。
セール品(特価品)や福袋、デパ地下に違いあり?
百貨店 | クリアランスセール | 福袋 | 食品系の特価品 |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | ○ | × | ○ |
大丸・松坂屋 | ○ | ○ | × |
高島屋 | ○ | ○ | ○ |
阪急・阪神 | ○ | × | ○ |
※株主優待制度は予告なく変更される場合があります。
○・・・割引対象(一部除外商品あり)
×・・・割引除外(売り場エリアや店舗により対応が異なる場合あり)
株主優待と百貨店クレジットカードの相性
百貨店 | 百貨店カード | 百貨店ポイント還元 | クレジット決済ポイント |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | エムアイカード | ポイント還元なし | ポイント還元なし |
大丸・松坂屋 | 大丸松坂屋カード | ポイント還元なし | QIRAポイント還元あり(0.5%・1%) |
高島屋 | タカシマヤカード | ポイント還元なし | デビットカードのみ2%還元あり |
阪急・阪神 | STACIAカード | ポイント還元なし | ポイント還元なし |
※株主優待割引を利用した際に、百貨店カードで決済することで ”お買い上げ実績” に反映されます。
支払い方法の種類を比較
百貨店 | 株主優待と併用できる支払い方法(百貨店売り場) |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | ①(株)エムアイカード発行のクレジットカード(鹿島神宮カード、ヴィオロカード、ニモカエムアイカードを除く) ② 現金 ③ 三越、伊勢丹、丸井今井、岩田屋発行の商品券 ④ 全国百貨店共通商品券 ⑤ 百貨店ギフトカード ⑥ 商品お取替券 |
大丸・松坂屋 | ① 現金 ② 全国百貨店共通商品券(日本百貨店 協会加盟店発行分) ③ 百貨店ギフトカード ④ (株)大丸松坂屋百貨店 およびグループ百貨店が独自に発行する商品券・ギフトカード ⑤ 他社発行クレジットギフト券 ⑥ JFRカード(株)が発行するが発行するクレジットカード |
高島屋 | ① 現金 ② 高島屋商品券 ③ 高島屋クレジットカード(いよてつ高島屋を除く)/タカシマヤプラチナデビットカード(ジェイアール名古屋タカシマヤといよてつ高島屋を除く) ④ タカシマヤバラカード ⑤ タカシマヤギフトカード ⑥ 全国百貨店共通商品券 ⑦ 百貨店ギフトカード ⑧ 友の会お買い物カード ⑨ 高島屋ネオバンク「スゴ積み払い」「銀行口座払い」(ジェイアール名古屋タカシマヤといよてつ高島屋を除く) |
阪急・阪神 | ① 現金 ②(株)阪急阪神百貨店発行の商品券 ③ ギフトカード ④ 商品お引換整理券 ⑤ 阪急友の会お買物券/阪急友の会お買物券 ボーナス券 ⑥(旧)阪神みどり会会員証付きお買物カード /阪神みどり会商品お引替え券 ボーナス券 ⑦ 団体お買物券 ⑧ 全国百貨店共通商品券 ⑨ 百貨店ギフトカード ⑩ クレジットカード会社発行のギフト券 阪急百貨店・ 阪神百貨店でご利用いただける全てのクレジットカード・電子マネー・バーコード決済(一部利用不可) |
支払い方法で”お得”になる百貨店
株主優待の割引を利用するなら、割引率よりもお支払い方法で ”お得の差がつく” ことになります。
最もお得になる百貨店は、 ”高島屋” でしょう。
高島屋では、株主優待カードで10%割引された価格に対して、 ”友の会お買い物カード” ”スゴ積み払い” が利用できるため、実質割引(約+8%)が拡大します。
そして、高島屋には ”タカシマヤプラチナデビットカード” も利用できます。(ジェイアール名古屋タカシマヤといよてつ高島屋を除く)
こちらのカードは、株主優待カードで10%割引された価格に対して、タカシマヤプラチナデビットカード決済をすることで2%ポイント還元されますのでお得になります。
なぜなら、すべてのタカシマヤカードは、株主優待カードで10%割引された商品をクレジット払いしても ”ポイント還元率は0%” になるからです。
もう1つ、お伝えしておきたいこととして、”大丸松坂屋” です。
大丸松坂屋は、株主優待カードで10%割引された商品を、大丸松坂屋カードのクレジット払いした場合は ”0.5%還元(QIRAポイント)” があります。
大丸松坂屋ゴールドカードでクレジット払いした場合は ”1%還元(QIRAポイント)” があります。
これを踏まえると、株主優待の割引と併用できるお支払う方法としてお得になる百貨店は ”高島屋”と”大丸松坂屋” といってもよいでしょう。
三越伊勢丹の株主優待カード最大の利点?
ちなみに、三越伊勢丹の株主優待カード最大の利点は ”3,000円未満の商品” に利用することだと思います。
三越伊勢丹のクレジットカード ”エムアイカード プラス” は、一般商品であっても ”一品3,000円未満の商品” はポイント除外になります。
食料品やセール品などは、他の百貨店と同じように株主優待割引のメリットがありますが、一般商品でも ”一品3,000円未満の商品” はそれなりにありますよね!?
三越伊勢丹の株主優待カードなら”一品3,000円未満の商品” でも10%割引になります。これが三越伊勢丹の株主優待カード最大の利点といってもよいと思います。
外商カードと株主優待の相性はどう?
百貨店の外商カードと株主優待を併用することにメリットはあるのでしょうか?
私のブログでは ”百貨店の外商顧客” をテーマに記事を書いていることが多いので、こちらの記事でも外商カードについてまとめていきます。
先に、結論を申し上げますと、百貨店の外商カードと株主優待を併用することにメリットはあります。
年間お買い上げ実績になる
百貨店 | 外商カード |
三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井 | エムアイカードプラス |
大丸・松坂屋 | 大丸松坂屋お得意様ゴールドカード |
高島屋 | タカシマヤカード《プレミアム》 |
阪急・阪神 | 阪急阪神お得意様カード |
※株主優待を利用して、外商カードのクレジット決済をした場合は ”年間お買い上げ金額に加算” されます。
外商カードは、”年間お買い上げ実績” に応じて ”優待が変動する” ため、少しでも実績としてカウントされることは望ましいです。株主優待割引を利用しても外商カードを活用することをおすすめします。
百貨店の株主優待はどこがおすすめ?まとめ
百貨店の株主優待はどこがおすすめ?
・100株の保有数に対して ”限度額” が大きいのは、 ”大丸松坂屋(年間50万円)” と ”阪急阪神(限度額なし)” です。
・阪急阪神百貨店の株主優待は ”優待券” のため、限度額なしでも1枚に対して1会計なので大きいお買い物をするときに向いています。
※三越伊勢丹・大丸松坂屋・阪急阪神は、長期保有者特典もあり。
・株主優待で割引除外されるハイブランドはどこの百貨店もほぼ同じです。
・”福袋” や ”特価品” などの扱いは百貨店により少し異なりますので注意が必要です。
・株主優待でお得な支払い方法が選択できる百貨店は ”高島屋” が圧倒的です。
・大丸松坂屋のクレジットカードは、株主優待を利用した後もクレジット決済ポイントが付与されます。
・外商カードは、株主優待を利用しても ”年間お買い上げ金額” へ加算されますので、外商カードで決済することがおすすめです。
最後にお伝え
株主優待の内容について、調べましたが1つだけ言わせてください。
百貨店の株主優待は、 ”お買い物する頻度の高い百貨店” を選ぶことが大切だと思います。
100株を保有するにしても、10万円〜20万円ほどの投資をすることになります。
自分がお買い物する身近なお店であれば、変化に気づくこともできますし、株価が一時的に下がってしまっても、買い物する頻度が高いお店であれば ”株主優待” を利用しながら、株価の回復を待つゆとりも生まれやすいです。
とくにデパ地下が ”割引” 適用される株主優待は、惣菜だけでなく、スイーツや和菓子などちょっとした贅沢ができます。
無理なく楽しむことを目指して、株主優待を選びましょう。
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